同時に大腸内視鏡検査の結果から、実際に痔を患っているかどうかの医学的評価も行われました。

では、トイレでスマホを使う習慣と痔のどんな関係が明らかになったでしょうか。

トイレでのスマホ使用は痔のリスクを46%増加させる

調査の結果、注目すべき関連性が明らかとなりました。

125人のうち40%以上が痔を患っており、そのうちの93%が週1回以上トイレでスマートフォンを使用していると回答したのです。

彼らはトイレでニュースを読んだり、ソーシャルメディアを利用したり、メールの文面を打ったりしていました。

さらに、トイレで「6分以上過ごす」と答えた人は全体の約37%に達し、その多くがスマートフォンの使用によって滞在時間が延びたと自覚していました。

スマホがまさに「便座に縛りつける存在」になっている現実が見えてきます。

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トイレでのスマホ使用は痔のリスクを46%も増加させる / Credit:Canva

そして、調査結果を年齢、性別、BMI、運動、食物繊維摂取量などの要素を調整した結果、トイレでのスマホの使用は痔のリスクを46%増加させると分かりました。

では、どうしてスマートフォンが痔のリスクを高めるのでしょうか?

最大の要因は、長時間の座位による直腸や肛門部への圧力と血流障害です。

通常、排便の姿勢では肛門周辺の血管に一時的な負荷がかかりますが、スマートフォン使用によりその状態が長時間続くことで、うっ血(血液の滞留)や炎症が起きやすくなります。

また、スマートフォン操作に集中することで、気づかぬうちに腹圧がかかり、「軽いいきみ」が持続されることも、痔を助長する可能性があります。

このような背景から、スマートフォンのトイレ持ち込みは、単なる習慣では済まされない健康リスクを伴うものだと言えるでしょう。

実際、専門家の中には、トイレに10分以上入らないよう勧めたり、3分以内で済ませることを推奨したりする人たちもいます。