玉村:女性の管理職登用を増やすためのポジティブアクションについてお伺いしようと思います。あくまで、“事実+結果”で処遇を決めるという考え方であれば、ポジティブアクションは間違いなのではないか?といえそうですが、いかがでしょうか?
乾:識学は “事実+結果”で評価せよが大前提。だから同じ成果で女性を優遇するのはアンフェアに映ります。ただし〈法律・方針で女性比率○%〉が決まっているなら、それを公開ルールとして運用すればいい。“一定水準クリアした候補の中で多様性を確保する”——障害者雇用と同じ発想です。
ポイントは——
最低ライン(成果・コンピテンシー)を男女共通で明確にする 選定ロジックをに開示する
基準が明示されていないから、不満が生まれるといえそうです。
4. 男性育休 “出世に響く” 問題をどう解く?
男性育休への“見えない圧力”についても話題になりました。
玉村:男性が育休をとると、裏では評価を下げられて昇進に響くということも言われていますが、これについてはどう思いますか?
乾:休むとパフォーマンスは下がる。だから評価が下がるのは合理的。休みたいけど給料は維持したいというのは虫がいい話なのでは。
重要なのは“戻ってからどう取り返すかの道筋”をルール化しておくこと。評価基準が明確なら、人は安心して選択できます。夫、妻ともに産休をとることの不利益が明確になっていれば「どちらが産休をとるか?」を冷静に判断することができるようになるでしょう。
これまたシンプルな解決策だと感じました。現在産休をとることを積極的に推進しています。しかし、制度として休むことの不利益と、復帰してからのパフォーマンスの回復による処遇の復帰を明文化することのほうが企業側にとってもメリットがあるので、この解決策が周知されるとこの問題は解決に向かう可能性が高そうです。
5. 乾さんからのメッセージ
乾:『女性活躍』を特別扱いすると話が複雑になります。まずは会社が本当に欲しい成果・役割を言語化し、そこに到達する道を男女問わず複線化する。子育ても介護も“キャリアの迂回路”を設けておけば、人材が枯渇する時代でも組織は強くなるはずです。
まとめ
無意識のバイアスが残るのは 評価軸が不透明 だから 瀬戸さんのツイートが示したのは 小さな組織の代替要員コスト 解決策は 在宅・時短でも成果を測れる仕組み と 休職⇔復職の明示的ルール ポジティブアクションは 「一定水準+公開性」 があって初めて正当化 育休を“キャリア断絶”にしないには 復帰後の挽回ステップ を制度に組み込む