
west/iStock
「なぜ女性は昇進しにくいのか?」──そう問われたとき、多くの人が“ガラスの天井”や“無意識のバイアス”を思い浮かべるかもしれません。しかし、本当に立ちはだかっている壁は“性別”なのでしょうか。
今回は、女性比率の高い職場で20年以上にわたりマネジメントを経験し、現在は識学のコンサルタントとして多くの企業を支援している乾一文さんに、「女性活躍」の現実と課題、そしてその解決策についてお話を伺いました。
■
乾 一文(いぬい かずふみ) 株式会社識学 シニアコンサルタント。サンケイリビング新聞社にて女性向けのフリーペーパーの制作などの業務を22年経験。女性がメインとなる職場で約20名の部隊をマネジメントしてきた。後に中小企業診断士を取得し、現職にて組織コンサルティングを担当。
玉村 嘉隆(聞き手) Webマーケティング支援会社にてCTOを担当。現在独立してフリーランスのWebマーケティングコンサルタントとして活動中。
1. “ジェンダーギャップ”の正体はどこにある?
玉村:日本では女性管理職比率が依然として低く、“ガラスの天井”が語られます。原因は無意識のジェンダー・バイアスだといわれますが、現場感覚としてどう見ていますか?
乾:バイアスはあって当然。ただし “女性だから” だけじゃなく、“学歴” “年齢” など属性一般に貼られるレッテルが障壁になり得ます。
男女ともに非正規や昇進停止を経験する人はいます。結局は“評価基準が曖昧”なのがいちばんの問題です。透明な評価軸=ガラスの天井を可視化するモノサシがないから、バイアスが温存されるんですよね。
乾さんが強調したのは「客観性のある評価基準」がないことでした。
2. 瀬戸弁理士ツイートにみる “中小企業の切実さ”
2023年に拡散した、弁理士 瀬戸麻希さんのX投稿——
「批判覚悟ですが、寿退社や産休・育休で抜けられると困るので、若い女性は正社員で雇っていません」