研究チームはさらに、この新しい構造を用いて様々な挙動を実現させています。

では、このような「引っ張ると縮む」構造は、どんな分野に活用できるでしょうか。
たとえば、必要に応じて硬さを切り換える材料の開発に役立つかもしれません。
こうした材料は、義肢や身体能力を強化するウェアラブルスーツに役立つはずです。
また、過度の振動を自ら抑制するシステムを開発できるかもしれません。
飛行機、風力発電機、耐震ビルなどに応用でき、より多くの人の命を救うことに繋がる可能性を秘めています。
いずれにしても、電力やモーターを使わず、構造だけで動作する仕組みが魅力的だと言えます。
今回の開発は、物理と設計の可能性を広げる、新しいメカニカルメタマテリアルの時代の幕開けを意味するのかもしれません。
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参考文献
These structures shrink when pulled
https://amolf.nl/news/these-structures-shrink-when-pulled
Watch: New structures shrink instead of stretching when pulled
https://newatlas.com/physics/countersnapping-shrink-stretching-pulled-amolf/
元論文
Exotic mechanical properties enabled by countersnapping instabilities
https://doi.org/10.1073/pnas.2423301122
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。