次のステップは、この技術をより実用的なデバイスへ発展させることです。

例えば、電圧や出力電力のさらなる向上、長期安定性の検証、安全性や材料コストの評価などが課題となります。

しかし「昼夜の温度差で発電する電池」**というコンセプトは非常に魅力的であり、今後の研究次第で私たちの暮らしにも身近な形で登場するかもしれません。

氷のような小さな分子カゴがエネルギー変換の扉を開ける――そんな SF のような未来が、着実に現実に近づいています。

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参考文献

常温付近の小さな温度変化で発電できる新たな電解液・デバイスを創出 ~IoTセンサーの自立駆動用電源などに応用期待~
https://criepi.denken.or.jp/press/pressrelease/2025/05_16.html

元論文

Large Temperature Dependence of Redox Potential Driven by Semiclathrate Hydrate Formation for Thermo-Electrochemical Conversion
https://doi.org/10.1021/jacs.5c04430

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部