中央に鎮座する謎のストーンサークル

ピラミッドより古い謎の海底都市「アトリット・ヤム」 ‐ 水底に眠る新石器時代の記憶
(画像=By Hanay, CC BY-SA 3.0, Link,『TOCANA』より 引用)

 アトリット・ヤムの中心部近くで、考古学者たちは特に興味深い構造物を発見した。それは、かつて泉だった場所を囲むように立てられた7つの巨大な立石だ。これらの石は無秩序に転がっているのではなく、明らかに意図をもって配置されており、中には数トンの重さがあるものも。車輪も金属器もない時代に、人々はこれらを運び、立て、正確に並べたのである。

 石の表面はところどころ滑らかにされているが、一部の石の上部には浅いくぼみが彫られている。これが何のために使われたのか、水盤だったのか、あるいは何か別のものを置くためだったのか、正確なことは分かっていない。

 この半円形の石の配置は、偶然とは考えにくいほど精密だ。研究者たちは、共同の儀式や季節の祭りが行われた場所だったのではないか、あるいは太陽や星の動きと関連付けられた天文観測施設だったのではないかと推測している。もしそうだとすれば、ストーンヘンジのような有名な巨石遺跡よりも数千年早く、この地で天文学の萌芽があった可能性を示唆している。しかし、それを裏付ける文字や暦のようなものは見つかっておらず、謎は深まるばかりだ。

ピラミッドより古い謎の海底都市「アトリット・ヤム」 ‐ 水底に眠る新石器時代の記憶
(画像=By Hanay, CC BY-SA 3.0, Link,『TOCANA』より 引用)