火星で「ドーナツ型の岩石」が発見されたようです。

この奇妙な岩石は2023年6月22日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車・パーサヴィアランスによって約100メートルの距離から撮影されました。

しかし火星の荒野のど真ん中に、なぜ輪っか状に穴のあいた岩石があるのでしょう?

自然に形成されたことは疑うまでもありませんが、どのような現象がこんな岩石を作ったのでしょうか?

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  • ドーナツ型に穴のあいた岩石を発見!

ドーナツ型に穴のあいた岩石を発見!

パーサヴィアランスは2020年7月30日に打ち上げられ、2021年2月18日から火星上での活動を開始しました。

主な目的は、北半球の大シルチス台地にある「ジェゼロクレーター」での探査とサンプル回収です。

直径約49キロに及ぶジェゼロクレーターには広大な三角州の地形があり、そこの堆積物に粘土が多いことから過去に洪水が起こったと目されています。

実際、数十億年前の火星には川や湖が豊富に存在したことが分かっており、その跡地を調べることで太古の火星生命体の痕跡が見つかるのではないかと期待されているのです。

十億年も前にジェゼロにあった湖のイメージ図
十億年も前にジェゼロにあった湖のイメージ図 / Credit: ja.wikipedia

しかし、パーサヴィアランスが独りせっせと土壌サンプルを回収する中で見つけたのは、思いもよらぬ摩訶不思議な岩石でした。

茶色い砂地の広がる荒野に「ドーナツ型の岩石」がぽつねんと横たわっていたのです。

この画像はパーサヴィアランスのミッション開始から832日目に当たる2023年6月22日に、ボディに搭載したスーパーカムで撮影されました。

パーサヴィアランスが約100mの距離から撮影した「ドーナツ型の岩石」
パーサヴィアランスが約100mの距離から撮影した「ドーナツ型の岩石」 / Credit: NASA/JPL-Caltech(photojournal, 2023)

確かに、岩石の中央部分がくり抜かれたようになっているのが分かりますね。