1万8000社以上の企業が利用するクラウド型人事労務システム「ジンジャー」を手掛けるjinjerが、「第2の創業」を迎える。現代表の桑内孝志氏が退任し、後任に株式会社Zendeskで経営トップを務めた経験を持つ冨永健氏が就任。さらなる成長を目指す。現在のjinjer設立から今年で5年目を迎え成長が続く同社は、どう生まれ変わるのか。同社に取材した。
人事労務・勤怠・給与などの人事の定型業務、人事評価・人事データ分析・eラーニングなどのタレントマネジメント業務に関する製品群からなる「ジンジャー」は、業務の自動化やワークフローの統合、包括的な人事データ分析などが実現できる点が特長。月額300円から利用可能という価格帯も好感され、中小企業から大企業まで延べ1万8000社以上に導入されており、現在も利用企業数は右肩上がりを続けている。
「ジンジャー」は、もともと人材サービス大手ネオキャリアが新規事業として、バックオフィス業務全般の効率化をサポートするSaaSとして立ち上げたサービス。2021年10月に同社からjinjer株式会社が新会社として独立し、翌22年3月には投資会社などから51億円を調達し、大きな注目を集めた。
プロダクト群、従業員のポテンシャルを今以上に伸ばしていく
現在では450名以上の従業員を抱える規模にまで拡大した同社が「第2の創業」に挑むというが、その背景について冨永氏は次のように語る。
「昨年9月に弊社にプライベートエクイティファンドのPotentia Capital社とJ-STAR社が資本参加し、株主構成が変わり、新しいスタイルで経営を進めていこうと取り組んでいるところです。HRテック市場が拡大するなかで弊社が持っているプロダクト群、そして従業員のポテンシャルを今以上に伸ばしていけるのではないかと考え、第2の創業と銘打たせていただきました」
具体的には何が変わるのか。
「代表取締役社長 CEOとして私冨永の他に、CFOの木村 哲哉(最高財務責任者)、CCOの廣田 達樹(最高カスタマー責任者)が新たに加わります。新任者は3人ともグローバル企業での経験が豊富で、外部から入ることになり、弊社の良い部分を継承しつつグローバルな視点を取り込んで、さらに会社の成長を加速させていこうと考えております。
お客様の声をダイレクトに受けて開発の優先順位を決めたり、バグがあった場合は早急に修正するなど、これまで以上にお客様に寄り添って製品を開発する体制を整えていきます。カスタマーサクセスをさらに強化して、お客様にご購入いただいた機能をフルで使いこなしていただけるようにサポートしていき、きめ細やかなコミュニケーションをとらせていただくことも必要だと考えています。お客様に料金を払っていただいた分の価値、それ以上の価値をきちんと手に入れていただいて、Win-Winの関係を構築していきます」(同)