ローマ・カトリック教会で今月8日、新教皇レオ14世が誕生した。それを受け、中国外務省の林剣副報道局長は9日の記者会見で、「バチカンが建設的精神で中国側と対話を継続し、関係改善を共に推進するよう望む」と述べ、新教皇に祝賀を送っている。中国側の狙いはバチカンが台湾との国交を断絶し、中国共産党政権との国交を締結することだ。

イグラー事務局長は「中国のキリスト教徒は世界中の教会から孤立し、監視と統制が強化されている。国際社会はこれに目をつぶってはならない」と訴えている。

中国共産党政権の習近平国家主席は2012年に権力を掌握した後、「宗教の中国化推進5カ年計画」(2018~2022年)を実施した。「宗教の中国化」とは、宗教を中国共産党の指導の下、中国化すること(同化政策)だ。それは新疆ウイグル自治区で実行されている。100万人以上のイスラム教徒が強制収容所に送られ、そこで同化教育を受けている。キリスト教会に対しては官製聖職者組織「天主教愛国会」を通じて、キリスト教会の中国化を進めている。

習近平国家主席 2024年9月 中国共産党新聞より

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年5月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。