公式見解は「脅威なし」、専門家は「不安が生む物語」と指摘
一方で、アメリカ政府機関は、このドローン騒動と陰謀論を冷静に受け止めている。FBI(連邦捜査局)と国土安全保障省は2024年12月の声明で、ドローンの出現は国家安全保障や公衆の安全に脅威を与えるものではないと発表。国防総省(ペンタゴン)のサブリナ・シン報道官も、一部で囁かれたイランの「母船」がドローンを展開したとする説を明確に否定し、ドローンの原因は不明ながら悪意ある活動の証拠はないと強調した。
専門家もまた、この種の陰謀論は科学的根拠に欠けるものであり、社会的な不安や既存の権力構造への不信感から生まれる物語だと指摘している。学術誌「Humanities and Social Sciences Communications」に2025年4月に掲載された研究では、エイリアン関連のUFO陰謀論において、「専門家」とされる人物の意見が、科学的根拠がないにもかかわらず陰謀論を正当化するために利用されるケースが多いと分析されている。

(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)