不正は通訳によるものにとどまらず、携帯電話を使ったカンニングなど手口は年々巧妙化しており、試験官が外国語を理解できないことで実態把握が困難でした。

また、タクシー運転手の資格試験にも不正が及び、交通や業務ルールを理解しないまま免許を取得し、事故を起こすケースもありました。

さらには、外国免許からの切り替えが認められていない国(インド、パキスタン、ナイジェリア、マレーシア、アメリカ、イスラエル、中国など)の人々が、香港など第三国で不正に免許を取得し、イギリスで書き換えるケースも多発していました。

このような不正取得者の中には、資金洗浄、人身売買、麻薬取引、違法タクシー営業などを行う犯罪組織の構成員もおり、組織が人材確保のために免許取得を手配していた事例も多数あります。

運転免許証は日本と同様に、イギリスでも身分証明書として使用され、銀行口座開設や国内線搭乗などに活用されるため、単なる運転資格にとどまらず、不正利用のリスクが伴います。

こうした経緯から、多くの先進国では外国語試験や外国人による免許取得の不正が深刻な社会問題として認識され、すでに対応が進んでいます。

それにもかかわらず、なぜ日本ではいまだに発展途上国の言語に対応した試験を提供し続けているのでしょうか。

また、セキュリティや不正対策の観点から、外国人の運転免許取得に関する議論がまったく行われていないのは、極めて不自然であり、見直しが急務であると言わざるを得ません。

河野太郎議員のXは話題を呼んだ(編集部)