かつてイギリスでは、19か国語に対応した録音音声の提供や、通訳の利用による試験受験が可能でした。しかし以下の理由から、外国語による受験は廃止されました。

不正行為の多発 英語や交通ルールの理解が不十分な受験者による事故リスクの増加 社会の分断懸念 外国語対応にかかるコストの削減

2010年ごろからイギリスでは、外国人による運転免許の不正取得が社会問題化し、2013年には外国語試験の廃止が政府の政策議論にのぼりました。

BBCの報道によると、こうした不正は十年以上前から把握されており、イギリス政府は秘密裏に調査を進めていました。

当時、試験に同席する通訳が問題の内容を教えるなどの不正が横行しており、2004年にはエチオピア語の通訳が約600件の不正を行ったとして大きなスキャンダルとなりました。

2010年~2011年には、中国系通訳のピーター・フイが約200件の不正を手助けし、10万ポンド(約1900万円)を稼いだとして懲役12ヶ月の判決を受けています。