今後は、さらに重い元素やメンデレビウムでも中性子数が異なる同位体などを幅広く調べることで、この逆転現象がどんな条件で起こるのかを探求していくことになります。
より先端的な加速器や高精度の測定技術、さらには多次元的に核変形を扱うスーパーコンピュータの活用によって、未踏領域の核分裂メカニズムがいっそうクリアになるでしょう。
そうした知見が重なれば、「超重元素は本当にどこまで作れるのか」「なぜ私たちの宇宙には多種多様な元素が存在するのか」という問いに、より具体的な答えを与えられるかもしれません。
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元論文
Competition between mass-symmetric and asymmetric fission modes in 258Md produced in the 4He+254Es reaction
https://doi.org/10.1103/PhysRevC.111.044609
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部