それでも「理想としては専業で稼ぎたい」と思っている場合は、そうした選択もよいと思います。重要なのは自分自身の目的です。自分自身がどうしても専業で稼ぎたいと決意しているのであれば、レッドオーシャンで戦うしかありません。

ただ、このときに気をつけてほしいのが、目的を「専業で成功すること」を「専業でいること」と間違えてほしくないということです。はっきりいって、専業で開業するよりコンサルタント業、セミナー業を合わせて始めたほうが段違いにスムーズです。

士業の仕事は相手の都合にほぼ100パーセント左右される仕事なので、セールストークのような技術を磨いても、なかなか強引には取れないものです。そうなってくると、自分を正当化する理由を探し始めてしまいます。そして、最終的にやはり「士業は儲からなくても専業で有り続けるべき」という美学のようなものを持ち出してしまうのです。

こういった悪いスパイラルに陥りそうになったときには、そもそもの目的を思い出してください。おそらく最初の目的は「士業として成功すること」であって「士業で有り続けること」ではなかったはずです。

迷っている方は、ぜひもう一度考えてみてください。資格はあなたの生き方やビジネス方針を縛り付けるものではありません。あくまであなたのサポートとなるものなのです。

横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 特定行政書士 1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。 会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚