具体例を挙げれば、私が23歳という年齢で仕事が取れたのは、「行政書士として極めて優れていたから」ではありません。法律知識、実務能力、経験どれをとっても私よりレベルが高い行政書士はいくらでもいるでしょう。なぜ私が行政書士の仕事が取れたかというと、「インターネットマーケティング」に精通していたからです。
2003年当時、インターネットマーケティングに詳しい行政書士などほとんど存在していませんでした。そのため、私は「普通の行政書士」から一歩抜け出すことができたのです。結論をいえば、士業以外のビジネスをすることは、過去は邪道だったとしても現在はそれが士業として生き抜いていくためのセオリーなのです。
考えてみてください。もしあなたの業務レベルが日本トップクラスだったとしたら、仕事を集められるかもしれません。しかし、あなたが開業して実務知識でトップ3パーセントに入れるようになるのにどのくらいの年月がかかるでしょうか。おそらく想像できないくらいの時間がかかるはずです。
これに比べて、まったく別分野で強みを持っていたらどうでしょうか。士業の多くはまだまだ専業スタイルを取っています。実に簡単に差別化が可能になるのです。
そもそも、士業で独立開業する際、多くの人がこれまでのキャリアをゼロにしてしまう傾向があります。士業の多くが異業種からのチャレンジです。それなのに資格を取ったら士業専業でいこうと計画する人がとても多く、競争の世界に自ら飛び込んでしまっているのです。
これからは、ダブルポジションを持つ人が成功する
今はまだ、このような考え方はスタンダードではないかもしれませんが、前述のとおり士業専業で行くことは競争世界、いわゆる「レッドオーシャン」です。
もしあなたが資格にまったく別のビジネスを合わせることができれば、それは競争のない「ブルーオーシャン」である可能性があります。もちろん、実務の中にもブルーオーシャンはあるかもしれませんが、これまで何十年も研究されてきた業界です。士業でない分野のジャンルを合わせることがもっとも早い差別化になり、いつの日かこれがスタンダードになるでしょう。