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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書『資格起業バイブル』から、再構成してお届けします。
縮小する士業マーケット、伸びる資格者人口
Q:本業以外の仕事は邪道でしょうか? 目立つ行動は避けるべきという空気があります。
士業は本業に専念し、他の仕事をするべきでないとベテランの先生から聞きました。そういう意見の先輩が多いせいか、少し広告を出したりセミナー講師を引き受けるとあまりよい顔をされません。こういった空気の中、どう行動すればよいでしょうか?
「悪しき理想専業主義」。専業しか認めない風潮のことを私はこう呼んでいます。しかしながら、時代はもう変わっているのです。日本は初めて人口が減る時代に突入し、法人数も減少しています。そして不景気の中、資格取得を目指す人は増えています。これが何を表しているか、もう説明するまでもないでしょう。
つまり、士業の仕事は基本的には減少していくのです。もちろんこれは士業に限定された話ではありませんし、また今すぐ士業の仕事がゼロになるわけではありません。
しかし、長期的な視野で考えた場合、専業主義を採用するのはあまりお勧めできません。むしろ士業は多様化すべきだと私は考えています。実際のところ、これは市場全体の話だけではなく、士業そのものの仕事の内容を考えてみても本来はもっとさまざまな仕事を扱うべきなのです。
資格業では差別化が難しい
もともと、士業は同じ資格ならば同じ仕事内容になります。つまり、士業の仕事で差別化を図るのは非常に難しいのです。お客様から見ればどの士業もほとんど同じに見えます。では、どうすれば差別化ができるかといえば、士業以外のビジネスを持つことが最大の対応策になります。