これにより、適度な量の抹茶を飲むと、脳機能の改善、ストレス緩和、心臓の健康、血糖値の調整に効果があるとされています。

しかし注意点があります。

これらの効果を支持する証拠の多くは細胞や動物を対象とした実験室レベルの研究に基づいており、人間を対象にした大規模な臨床試験はまた多くありません。

そのため、初期の研究結果は有望ではありますが、確実な結論を出すにはまだ時期尚早ともいわれています。

確かなことの一つは、抹茶にはカフェインが含まれているということです。

含有量は一般的な緑茶より多いものの、通常はコーヒーより少なめです。

カフェイン自体は、適度に摂取すれば集中力や気分の改善、代謝の促進、さらにはアルツハイマー病やパーキンソン病などのリスク低下といった健康効果が確認されています。

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しかし過剰摂取は不眠、不安感、血圧上昇などの副作用を引き起こす可能性があります。

「多ければ多いほど良い」という考え方は当てはまらず、最適な摂取量もまだはっきりしていません。

抹茶とコーヒーを比較すると、どちらも抗酸化作用や心血管への良い影響が期待できます。

ただしコーヒーの方が研究が進んでおり、1日3~4杯までなら多くの人にとって安全とされています。

抹茶はポリフェノールの含有量が多いため、より慎重な摂取目安が示されており1~3杯/日が推奨されています。

茶やコーヒーに含まれるタンニンやポリフェノールは、特に植物性食品からの鉄分吸収を妨げることがあります。

特に食事中や食直後に頻繁に飲んでいると鉄欠乏性貧血のリスクが高まるおそれがあります。

そのため、特に植物性食品中心の食事をしている人やもともと鉄分不足の人は、食事の2時間以上前後を目安に飲むことがすすめられます。

さらに考慮すべき点として、コーヒーと抹茶はどちらも弱酸性であり、胃が敏感な人には消化不良や胃酸逆流を引き起こすことがあります。