最大の問題は厚生年金の2階部分をどうするかだ。民主党政権では積立方式が検討されたが、これは「二重の負担」などの難点があり、政治的に不可能だ。民間の参入を認めるしかない。
今でも大企業のサラリーマンは厚生年金とiDeCoの2本立てで積み立てているので、厚生年金を任意加入にすればいいのだが、そうすると「払い損」になる45歳以下や年収500万円以上は厚生年金から脱退し、年金財政が破綻する。それを避けるために、こんな複雑な制度をつくっているのだ。
だが年金制度を破綻させないために、現役世代の生活を破綻させるのは本末転倒である。そもそも公的年金は必要なのか。「国民皆保険」は維持すべきなのか。現役世代と将来世代のために持続可能な制度を再構築する改革が、今国会では問われている。