研究チームは、水素原子の2s以外の状態や、もっと起こりにくい遷移、あるいは原子核が崩壊して出す特殊な光に注目する方法など、いくつもの新しい検証プランを考えています。
例えばヘリウム原子なども候補ですし、水素原子の超微細構造による21cm線という電波や、原子核が崩壊する際に出るガンマ線を精密に測るのも一案だといいます。
こうして技術が進めば進むほど「光に無限の回転モードがあるのかないのか」という疑問に、より厳しい制限をかけられるはずです。
それでもなお、いつの日か本当に連続スピン粒子の足跡が見つかるのかどうか――まさに人類が今、その壮大な謎に立ち向かおうとしているのです。
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元論文
Probing “Continuous Spin” QED with Rare Atomic Transitions
https://doi.org/10.48550/arXiv.2505.01500
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部