最前線も補強ポイントと言えよう。現時点で主力となっているのは下部組織出身で今季7ゴールと好調なFW北川航也だが、サブにまわることの多い外国籍選手がいずれも苦しんでいる。注目のブルガリア代表FWアフメド・アフメドフは、ブルガリアリーグで19試合16ゴールの実績から高い得点力が期待されたがリーグ戦ではここまでノーゴール。また、昨季要所で得点を挙げ前線のターゲットとしても存在感を発揮したFWドウグラス・タンキも出場機会が少なく1得点のみと覇気がない。
また、若手のFW登録の選手では2年目の郡司璃来と昨年ザスパ群馬へ期限付き移籍も怪我に苦しんだ齊藤聖七がいるが、いずれもここまでは欠場が続いている。基本布陣が1トップなのに対して、外国籍選手から若手まで選手は足りているものの上手く回っていないのが現状と言えよう。
幸い、得点力で見れば北川をはじめMF松崎快やMF乾貴士も複数得点を挙げており序盤戦は好調。リーグでも上位の得点力でチームを支えている。とはいえ、まだまだ長いシーズンを戦い抜く上で得点源は多いに越したことはない。なにより、このままではチーム内での競争が鈍化するのも避けられない。現時点では既存の選手に加え期限付き移籍中の選手も多いポジションなだけに補強は難しいだろうが、中盤戦そして後半戦と戦っていくためにも底上げを図りたいことは確かだ。

補強ポイント3:トップ下&シャドー
現在4バックのときのトップ下あるいは3バック時のシャドーのポジションはMF乾やMF松崎を置くゲームが多い。乾については2023シーズンに今季も指揮を執る秋葉忠宏監督が就任して以降トップ下として立ち位置を確立しているが、特に2シャドーの一角にはもともとサイドを主戦場とする選手を起用する場面が多く見られる。
もちろん、ゴールやアシストといった数字の面を見れば主力選手たちへの不満は少ないと言えよう。また、今季は足元の技術に優れ縦への意識も高いMFマテウス・ブエノの加入や昨季途中に加入したMF宇野の成長もあり、ゲームメイクについては乾の負担が軽減されている部分もあるだろう。しかし、逆転勝利を収めた第12節横浜F・マリノス戦で如実に表れた通り、特に前線は主力と控えに戦力面あるいは連携面で差があるのは確かだ。