ギャロウェイ氏は「30秒走って30秒歩く」から始めることを提案しています。
このサイクルに慣れたら「45秒走って30秒歩く」といったふうに、少しずつ自分のペースに合わせて調整します。
この方法はスウェーデン発祥の「ファルトレク(fartlek:速い走りとゆっくりした走りを交互に繰り返す)」に似ていますが、ファルトレクがスピード向上を目的としているのに対し、ジェフィングはあくまで持久力の向上と疲労管理を重視しています。
つまり、初心者向きのランニング方法なのです。
またギャロウェイ氏は「ハフ・アンド・パフ(息切れ)ルール」という独自の指標も設けるといいと指摘します。
これは「自分の呼吸が荒く聞こえるときは無理をせず、時間を守らなくても良いので、すぐにウォーキングに切り替える」というルールです。
この考え方が、ジェフィングの安全性と実践しやすさにつながっています。
ジェフィングのメリットとは?
ジェフィングの最大の魅力は、持久力を高めながらもケガを予防できることです。
連続して走る場合と違い、エネルギーが一気に枯渇せず、関節や筋肉への負担が大きく減ります。
そのため初心者はもちろん、ケガや病気からの復帰を目指すランナー、さらにはマラソンなどの長距離競技に挑むベテランランナーにも広く活用されています。
2016年の研究では、ジェフィングを実施したランナーたちが、全行程を走り続けたランナーとほぼ同じタイムでマラソンを完走したことが報告されています。
しかもジェフィング組の方が筋肉痛や全身疲労感が少なかったという結果が得られました。

またジェフィングは、ランナーが自分の体調やコンディションに応じて「走る→歩く」のサイクルを自由にカスタマイズできる点も大きな特徴です。
ストップウォッチを使って30秒走・30秒歩のサイクルを守る人もいれば、感覚に頼って「少し疲れてきたら歩く」と柔軟に切り替える人もいます。