調査対象となった15種類の日常行動とは以下の通りです。
- 家族と会う
- 自然の中で過ごす
- 運動(身体活動)
- 友人や同僚と交流する
- 地域イベントへの参加
- サークルやクラブ活動への参加
- 大規模イベントへの参加
- 難しい課題に挑戦する
- 宗教的影響(宗教活動の影響)
- 社会活動団体への参加
- ボランティア活動
- スピリチュアル活動(瞑想・祈りなど)
- 集中・思考活動(読書やパズルなど)
- 他の人(自宅以外)と会話する(オンラインでのチャットを含む)
- 他人への支援や手助け
では、どんな結果になったでしょうか。
心の健康に最も役立つのは「誰かと会話をすること」だった
調査の結果、ABC運動参加者全体の92.9%が「心理的ストレスなし」と回答し、WEMWBSスコアの平均は52.6点と比較的高めでした。
そして特に15の行動のうち9つがメンタルヘルスの改善と強く関連していることが分かりました。
中でも最も効果が高かったのは「他の人と会話する」ことでした。
この行動を日常的に行っていた人は、ほとんど話さなかった人に比べてWEMWBSスコアが10.0ポイントも高かったのです。
これは他の行動と比べても突出した効果です。

次いで「自然の中で過ごす」(+5.1ポイント)、「友人・同僚との定期的な交流」(+4.8ポイント)、「身体活動」(+4.3ポイント)、「スピリチュアル活動」(+3.9ポイント)、「読書やパズルなどの集中活動」(+3.8ポイント)、「家族との交流」(+3.7ポイント)も高い効果を示しました。
この結果は、心の健康において「人とのつながり」がどれだけ重要かを示しています。
研究チームは「人は本能的に他者とのつながりを必要としており、会話は心理的安全や安心感を提供する」と分析しています。
また外に出る、体を動かすといった行動も脳内の神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン)を活性化させる効果が知られており、これが気分改善につながったと考えられます。