なお、レオ14世は10日、パウロ6世謁見ホールで枢機卿たちと会合し、そこで「親愛なる枢機卿の皆様は、教皇の最も親しい協力者です。これは、明らかに私の力を超え、そして誰の力も超える重荷を背負う私にとって、大きな慰めです。皆様の存在は、私にこの任務を託した主が、責任を私一人に負わせるつもりはないことを思い出させてくれます」と、ユーモアを交えながら語っている。

そして教皇名に「レオ」を選んだ背景について少し説明している。曰く「教皇レオ13世(1810年~1903年)は、歴史的な回勅『レールム・ノヴァルム』の中で、第一次産業革命の文脈における社会問題について初めて言及した教皇だ。そして教会は今日、人間の尊厳、正義、労働の保護に新たな課題を突きつける新たな産業革命と人工知能(AI)への対応が求められている」と述べ、現代の世界がレオ13世時代と同じ社会課題に直面しているという認識から、「レオ13世」の後継者として「レオ14世」という教皇名を選んだというのだ。

レオ14世は最後に、第2バチカン公会議に言及し、枢機卿たちに「シノドス主義」の道の継続、宣教的回心、共同体意識の強化、そして疎外された人々への愛情ある配慮を求めている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年5月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。