AIで離反の動きを予測し客離れを防ぐ
説明会では楽天ペイメントがAIを使った具体的な事例として「ロイヤルカスタマーの離反防止」と「願客解像度の向上」を紹介した。マーケティングにおいて、特にスーパーやドラッグストアといった小売店では、上位20%のロイヤルカスタマー(「企業に対して愛着をもっている顧客」「商品・サービスを長期的に利用してくれる顧客」「企業やブランドに信頼を寄せている願客」を表す)が、売上構成比の80%を占める状況を指す「20:80の法則」という考え方がある。そのロイヤルカスタマーの約半数が、翌年に購入金額が10%以上に下がる、または来店しなくなる傾向を示すデータがあり、その離反を防ぐのが小売店にとって課題になるという。そこで楽天ペイメントは、関連企業のID-POSや楽天グループで収集した消費者の購買データを元に、AIが未来3カ月間の「離反スコア」を算出。そのスコアを元に願客を区分し、ID-POSや願客調査(リサーチ)で、離反した原因を探るという。AIは来店周期や来店曜日、購入行動や、加工食品、酒、果物・鮮魚の購入金額の増減による顧客の生活習慣の変化などを察知し、離反の兆候となる行動を発見するとしている。また、願客への調査結果を機械学習で解析することによって、満足度への影響や離反確率への関係性を把握し、願客の満足度改善と離反原因を明確化しているという。関連企業に対しては願客の離反を防ぐために販促や店舗の品揃え、棚割りの変更による願客へのアピール、設備やサービスの改善などを提案することができるという。
楽天ポイントカードを利用しない願客の行動を、AIと店舗データと活用して推論する活用も始めている。楽天ペイメントは楽天ペイやポイントカードを利用したユーザーのデータは豊富にあるが、それらを利用しない願客は一定層おり、願客全体の傾向が掴みづらかったという。ポイントカードを利用するユーザーが7割であったとしても、AIでポイントカード非利用者のデータを補完することによって、9割程度の願客を想定し意思決定ができることを強みとしている。
(文=田代祥吾/フリーランスライター)

提供元・Business Journal
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