「楽天ポイント」や「楽天ペイ」などを提供する楽天ペイメントが、AIを本格的に活用して成果をあげている。単純な指示文でデータ抽出ができる環境を整備して月間600時間の作業時間を削減し、AIにより複雑な予測が誰でも簡単に利用できることで、関連企業に対して提案の質が向上し、既存以外の手法でもアプローチできるようになった。また、AIが来店周期や来店曜日、購入行動や、加工食品、酒、果物・鮮魚の購入金額の減少による生活習慣の変化などを察知し、離反の兆候となる行動を発見。願客への調査結果を機械学習で解析することによって、満足度への影響や離反確率への関係性を把握し、願客の満足度改善と離反原因を明確化。願客の離反を防ぐために改善の提案をすることができるという。

楽天の各種サービスで取得したデータをAIに活用

「楽天ペイにおけるAI活用 勉強会」という説明会を実施。楽天ペイメントにおけるAIの活用事例の紹介や「楽天ポイントカード」を導入する関連企業とのAIを利用した取り組み、マーケティングの進化などについて解説した。

 楽天ペイメントは、楽天グループの共有ポイントシステム「楽天ポイント」や、「楽天キャッシュ」「楽天Edy(エディ)」といった電子マネー、スマホ決済の「楽天ペイ」などを消費者向けに提供している。楽天ペイメントが属する楽天グループは70以上のサービスを展開しており、主軸のECサイト「楽天市場」、携帯電話販売の「楽天モバイル」、保険販売の「楽天生命」など、オンラインだけでなくオフラインにも幅広いサービス網を持つ。その楽天グループのサービス網で取得した、願客の商品購入やサービス利用時の心理、趣味嗜好といった数多くのデータが、楽天グループおよび楽天ペイメントのAI活用における大きなアドバンテージになっているという。

楽天、AIで店舗の客離れの兆候を検知し改善提案…誰でも簡単に複雑な予測
(画像=楽天グループは70以上のサービスを展開しており、そこから得たビッグデータをAIに活用できることを強みとしている。画像は当日配布された資料より 、『Business Journal』より 引用)

 楽天グループは70以上のサービスを展開しており、そこから得たビッグデータをAIに活用できることを強みとしている。画像は当日配布された資料より