この理由については、甫庵信長記の存在があります。

甫庵信長記は江戸時代の儒学者の小瀬甫庵(おぜほあん)が書いた書物ですが、これは小説であり、フィクションが多いです。

現在通説として語られている「織田軍の三段撃ち」などここが元ネタであり、信憑性は著しく低いのです。

一方織田信長の研究でよく用いられているのは信長公記であり、こちらは信長の側近を長らく務めていた太田牛一(おおたぎゅういち)が執筆しています。

こちらは年月についてきちんと記されていることから、一次資料に準じた扱いを受けており、先述した甫庵信長記もこの信長公記をもとに作られています。

どちらも信長記として表現されることもあり、かつては混同されることもありましたが、近年では信長公記の記述をもとに検証が行われており、通説が次々と覆されています。

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参考文献

徳川家康 (人物叢書) | 藤井 讓治
https://www.amazon.co.jp/dp/4642052933

ライター

華盛頓: 華盛頓(はなもりとみ)です。大学では経済史や経済地理学、政治経済学などについて学んできました。本サイトでは歴史系を中心に執筆していきます。趣味は旅行全般で、神社仏閣から景勝地、博物館などを中心に観光するのが好きです。

編集者

ナゾロジー 編集部