科学がSF作家の直観に追いつく日

 ヴォプソン博士が今日、理論物理学の立場から提唱する「重力は宇宙の計算ツールであり、情報のエントロピーが物理法則の背後にある」という考えは、フィリップ・K・ディックが50年前に抱いた強烈な直観と奇妙なほどに共鳴する。

 ディック自身の言葉を借りればこうだ。「現実とは、君がそれを信じるのをやめても、消え去らないもののことだ。だがそれはまた、君が勇気を出してカーテンの向こうを覗き見たときにだけ、その姿を現すものでもあるのかもしれない」。

 果たして、フィリップ・K・ディックは狂気に取り憑かれた天才だったのか、それとも自身の妄想に苦しむ預言者だったのか。あるいは、彼はシミュレーション世界の存在に誰よりも早く気づいた、孤独な先駆者だったのだろうか。

 科学がディックの描いた深淵を覗き込み始めている今、我々は自問せずにはいられない。ひょっとすると私たちは皆、フィリップ・K・ディックの壮大な小説の中に生きているのではないだろうか、と。

提供元・TOCANA

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