空いた時間を何に使うか、という新たな価値創造に重きを置く

 生成AI活用で業務時間が削減されることにより、どのような効果が生じているのか。

「削減により、空いた時間で新たな業務に取り組む人がでてきていると感じます (配置転換含む)。例えば、もともとカスタマーサポートを対応していた人が、対応をAI化する中で、プロンプトエンジニアリング能力が高まり、AIエージェントを開発する人財に成長するといった事例があります。グループ各社で設定しているAI活用アクションでも、2025年は、コスト削減よりも、空いた時間を何に使うか、という新たな価値創造に重きを置いています」(同)

 従業員への生成AI活用に関する教育などは、どのように行っているのか。

「以下に取り組んでいます。

(1)GMO AIセミナー
 2023年は月2回、24年以降は月1回、全パートナー必須視聴のAIセミナーを開催しています。

(2)GMO AI パスポート
 新卒パートナーおよび中途入社パートナーはオリジナルのテスト、『GMO AIパスポート』を必ず受験し合格することが必須となっています。 既存パートナーは、2023年10月に100%合格達成し、それ以降に入社する人に向けて問題と解説をアップデートしつつ運用をしています。

(3)その他、学びの環境としてAI関連書籍が置いてある図書館『GMO Library』やノウハウ共有の仕組みとして社内SNS『GMO Genius』を運営

(4)リスキリングプログラム『虎の穴』
 直近、最も力を入れている取り組みです。2024年から、非エンジニア向けにスタートしました。2024年は、生成AI,RPAといった固定プログラムを3カ月でマスターしてもらう形でしたが、2025年からは、学びたいテーマ別に深堀して学べる仕組みにしました。(下記参照)

 すでにAI活用率は90%を超えたので、単に活用しているか否かではなく今後は、活用している人が、『適切なツール選択をできているか?』『正しい使い方をできているか?』など、一人ひとりのAI活用力を高めていくことを意識しています」(同)