「私たちは、忘れてしまっただけなのではないか?」

 この問いは、古代史と神話に魅せられた多くの研究者たちを惹きつけてやまない。世界各地に共通する「大洪水伝説」は偶然なのか、それとも封印された真実なのか──。聖書の「ノアの方舟」よりもはるかに古い物語が、シュメールの都市エリドゥに存在する。

 この町の伝承では、神々が人間に都市と王権を与えたのち、人類の騒がしさに怒った神エンリルが“大洪水”を起こして人類を一掃しようとした。しかし、もう一柱の神エンキは、お気に入りの人間ジウスドラに警告し、方舟のような船を作らせて生き延びさせたという。

 この物語は「エリドゥ創世記」に記されており、成立は紀元前2300年頃とされる。つまり、旧約聖書よりも古い“洪水神話”の原点が、ここにあるのだ。

アヌンナキが築いた失われた文明のタイムライン

忘れられた人類の歴史──“大洪水”以前の地球でアヌンナキと人類に何が起きたのか?失われた文明のタイムライン
(画像=画像は「Wikipedia」より、『TOCANA』より 引用)

 古代宇宙飛行士説の支持者ゼカリア・シッチンによれば、人類史の本当の始まりは45万年前、ニビルという惑星から来た知的存在「アヌンナキ」によって始まったという。
 彼の著書『地球年代記』では、以下のような驚くべきタイムラインが提示されている。
【大洪水以前】
45万年前:ニビルの大気崩壊を防ぐため、王アラルが地球に逃れ、金の存在を発見
44万年前:アヌンナキが地球に降臨し、金の採掘拠点「エリドゥ」を設立
43万年前:気候が安定し、さらなるアヌンナキが到来
41.6万年前:金の産出量が不足し、南アフリカで新たに鉱山開発が開始される
40万年前:メソポタミアに7つの拠点が形成。軌道上に輸送ルートが確立
38万年前:イギギ族の支援を得たアラルの孫が反乱を起こすが鎮圧
30万年前:金鉱での反乱により、アヌンナキが猿人と自らのDNAを組み合わせた“原始労働者”を創造
20万年前:氷期の影響で一時的に後退
10万年前:再び気候が安定し、人間とアヌンナキの混血が広がる
7.5万年前:新たな氷期が始まり、古代人類の系統が分断
4.9万年前:アヌンナキと人間の混血がシュルッパクを支配し始める
1.3万年前:ニビルの接近によって大洪水が確実と判断されるが、神々は人間に知らせないことを誓う
1.1万年前:エンキが密かにジウスドラ(ノア)に脱出方法を教える

【大洪水以後】
紀元前11000年:ジウスドラが方舟で生き延び、アヌンナキが農業や家畜の技術を授ける

紀元前10500年:ノアの子孫に土地が分配され、メソポタミア・ナイル・シナイの支配が始まる
紀元前9780年:エジプトがラ/マルドゥクの子、オシリスとセトに分割される
紀元前9330年:セトがオシリスを殺害し単独支配へ
紀元前8970年:ホルスが父の復讐で「第一ピラミッド戦争」勃発
紀元前8670年:第二ピラミッド戦争が起き、ピラミッド内装備が破棄される
紀元前8500年:平和会議で地球が再分割され、ヘリオポリスが新拠点に
紀元前7400年:人類に新たな知識が授けられ、ネオリシック革命が始まる
紀元前3800年:シュメール都市エリドゥとニップルが復興され、ウルクが建設される

 この一連の流れが正しいとすれば、人類の文明は突然誕生したのではなく、“再建された”記憶の断片にすぎないということになる。