科学界から上がる懸念の声
こうしたジオエンジニアリングによる太陽光遮断技術に対しては、科学界から強い警戒の声が上がっている。オックスフォード大学の気候科学者レイモンド・ピエラハンバート教授は、「国家的・国際的なルールがないまま、屋外実験に踏み切るのは極めて軽率」とし、英国政府の資金提供が他国に悪影響を及ぼす先例になると警告した。
また、マサチューセッツ州ウッドウェル気候研究センターのピーター・フラムホフ氏は、「温室効果ガスの削減を本気で行っていない国がこのような実験を行うのは不適切」と語っている。
スウェーデンでは、ハーバード大学による同様の太陽光遮断実験が住民の反対によって中止に追い込まれた過去もある。2025年5月にはフロリダ州がジオエンジニアリングを禁止する法律を可決するなど、世界各地で社会的な反発も広がっている。

(画像=Image by Myriams-Fotos from Pixabay,『TOCANA』より 引用)