太陽を遮る?21の気候工学プロジェクト

 ARIAが進める「気候冷却プログラム」は、気候危機の進行を一時的に食い止めるための技術開発を目的としており、5年間で21のプロジェクトが選出された。

 注目すべきは太陽光を遮断する試みだ。具体的には、石灰岩やドロマイトの粉を成層圏に散布し、太陽光の一部を反射させて地表の気温を下げるという「太陽放射管理(SRM)」と呼ばれる手法である。これは火山の大噴火による気温低下現象を人工的に再現するというアイデアに基づいている。

 他にも、雲の反射率を高める「雲の増白」や、人工衛星による宇宙ベースのサンシェード(太陽遮蔽装置)といった、まるでSFのような技術も候補に含まれている。

 これらの中には、すでに屋外実験が進行中のものもあり、例えばナミビア沖で行われた雲の増白実験では、結果としてアマゾン地域の降雨量が減る可能性が指摘されている。