
普段のファッションや着こなしが注目されるサッカー選手だが、試合中は皆、同じユニフォームを着用している。そう思っていないだろうか。実は同じソックス(ストッキング)でも選手によって履き方がかなり異なり、その理由やこだわりが表れている。
たかが足元と軽んじてはいけない。「フットボール(蹴球)」というように、サッカー選手のプレーの大半は足から生まれる。サッカーの足回り事情を知ることで、各選手の習性をより深く理解できて試合がさらに面白くなる。ここではサッカー選手の5大ソックス派閥(正統履き派、ロング履き派、ルーズ履き派、穴あき履き派、二重履き派)とスタイルについて詳しく解説してみたい。

サッカーソックスの規則はどうなっている?
競技規則では「相応に保護することができる大きさのすね当てを着用し、ソックスで覆われていなければならない」と規定されている。したがって、ソックスはある程度の長さを要する。
競技のしやすさを考えると、ただ長ければよいというわけではない。女子高生のルーズソックスでは、すね当てがブレたり相手の靴が引っかかったりしてプレーに支障をきたす。脚にフィットする伸縮性があり、すね当てがグラつかないように程よく引き締まっている必要がある。
このルールを守りつつも、いかにして競技者としてプレーしやすい状態にするか。ここで、選手としての特徴が表れるのだ。

正統履き派
遠藤航、久保建英、ジャマル・ムシアラなど
ソックスをヒザ下で折り返すのは標準的な履き方だ。上部が二重になるため、すね当てが飛び出しづらくなる。子供の頃は脚に比べてすね当てが大きかったりすることもあり、確実に規則を守れるようにまず教わる基本的なスタイルだ。真面目で几帳面な優等生タイプの選手に多く、この「正統履き」はプロ選手でも一般的だ。