だが、それが一過性で済んだのは、自己の根幹が満たされていたからだと今は確信している。仕事を通じて誰かに感謝されたり、役に立てたと感じる経験が重なるうちに、暴れ狂う「悪い承認欲求」は自然とおさまっていった。
そして承認欲求といってもすべてが悪いわけではなく、今では「どうやって他者に価値を提供し、感謝を集めるか?」へ自然に意識が向けることが出来たと思う。
元を正せば、それは母から受けた愛情でこの人格が出来たと考えている。親には感謝しかないと思っているのだ。今度は筆者が自分の子供たちへ愛情をつなぐフェーズにいる。
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現代は、情報もスキルも後から身につけられる時代だ。しかし「育ち」だけは、子ども時代の土壌によってほぼ決まってしまう、数少ない“取り替えのきかない価値”であるのかもしれない。
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