セロ・エル・コノ誕生の有力説:火山の置き土産か

 地元に伝わるロマンあふれる伝説や、そのミステリアスな形状にもかかわらず、多くの科学者は、セロ・エル・コノが数百万年前に形成された死火山、あるいはその一部であるという説が最も有力だと考えている。

 具体的には、いくつかの可能性が指摘されている。一つは、火山活動によって溶岩や火山灰、岩片などが火口の周囲に積み重なってできた「火山円錐丘(かざんえんすいきゅう)」。もう一つは、火山の活動が止まった後、火山の中心部(火道)で固まった硬いマグマが、周囲の比較的柔らかい火山体が長い年月をかけて風雨に削り取られる(侵食される)ことで、まるで首のように突き出して残った「火山岩頸(かざんがんけい)」という地形である可能性。あるいは、地表下に貫入したマグマが冷え固まり、その後の侵食によって地表に現れた「火成貫入岩体(かせいかんにゅうがんたい)」であるという可能性だ。これらの地質学的なプロセスを経て、現在の特異な形状が生まれたのではないかと推測されている。