忙しく残業をしていると、ダラダラコーヒーとお菓子をつまみながら雑談を降って来る。聞けば家に帰ってもやることがないので、それなら会社に身をおいて残業代をもらうほうが「コスパがいい」ということのようだ。

Q2.将来に希望が持てない若者がいるのはなぜか?

筆者の見解は、「将来の展望が描きにくくなったため」である。

かつて自分が在籍していた外資系企業では、入社時に Fast Track(昇進前提組) と Base Line(昇進期待薄組) がほぼ決まっていた。前者は次の転職やMBA取得を視野に成果を量産し、後者は“出社=仕事”という姿勢に陥りやすい。

昨今の若手がキャリアに悲観的なのは、この二分構造が日本企業にも浸透し始め、「最初の配属でコースが決まる」 という空気を肌で感じ取っているからだろう。

また、「静かな退職」が若者の間で広がっているように見える風潮にはSNSの影響も無視はできない。特にアルゴリズムはセンセーショナルな悲観論を拡散する傾向があり、そうしたコンテンツが高再生を稼ぐ。

「人生は運ゲー、遺伝子ゲーなので個人レベルで努力しても報われない」といった風潮があることで、若年層がそれを真に受け、頑張らないことを合理化しているのだろう。

Q3.「静かな退職」は日本特有か?

結論、似たような動きは存在する。

中国には「躺平(寝そべり族)」、韓国には「サランチ族」のような概念があり、アジア圏でも“低コミット雇用”は珍しくない。

欧米ではジョブ型雇用のため解雇ハードルが低く、静かな退職は短期で顕在化しづらいが、職務範囲ぎりぎりしか働かない “Bare‑Minimum Monday” などが話題になっている。つまり地域差は形態であって本質ではない。

結局、世界のどこへいっても「意欲格差」は存在するのだ。

Q4.静かな退職は将来どうなる?

よくない。理由はAIが積極的に奪っているのは“新人が最初に教わる仕事”だからだ。