しかしこれ以前には、ヤコブの井戸に入ったダイバーが命を落とす事例がいくつも報告されていました。

公式に知られている限りでは、1964年から1984年の間に9人(男性8人と女性1人)が死亡しており、2000年までに他にも死亡者や行方不明者が出ているという。

この地域を訪れる人の割合からすると非常に多いため、いつしか「世界で最も危険なダイビングスポット」と呼ばれるようになりました。

死亡者の中には、洞窟内の隙間から出られなくなったり、狭い空間に閉じ込められた状態で見つかった例もあります。

水中洞窟の一画の様子
水中洞窟の一画の様子 / Credit: Jacob’s Well Exploration Project

実際、ヤコブの井戸の中で命を落としかけて、九死に一生を得た映像が残されていました。

こちらのビデオは、テキサス州サンアントニオ出身の男性(21)が井戸の中ででフリーダイビングをしたときのものです。

映像内では、洞窟内で片方のフィンを落としてしまい、水面に戻るためウエイトベルトを切り離す瞬間が記録されています。

焦りと息切れから来る呼吸音の乱れが、とても生々しく録音されています。

男性は当時を振り返って「一瞬、死が自分の眼前に迫っているのを感じた」と話しています。

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参考文献

Jacob’s Well — one of the most dangerous diving spots in the world
https://www.zmescience.com/other/feature-post/jacobs-well-texas-dangerous-diving/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部