ただこれは、ヤコブが移住者たちに対して、井戸のある当地に引っ越すよう宣伝する意味合いもあったようです。
一方で彼以前に、ヤコブの井戸は数千年もの間、地元のアメリカ先住民たちによって崇められてきたことが知られています。
それから、もう一つの名前の由来としては、旧約聖書の『創世記』に登場するヘブライ人の族長ヤコブが涸れることのない井戸を掘ったことに由来する説があるという。

記録によると、20世紀初めのヤコブの井戸では、まるで噴水のように勢いよく水が湧き出しており、今日のように潜ることは困難だったそうです。
しかしその後、湧出量がかなり落ち着いたことで、人々や野生動物が水浴びに訪れるようになりました。
大抵は井戸の縁でくつろいだり、涼むだけでしたが、やはりと言うべきか、ヤコブの井戸の中に飛び込んだり、潜っていく命知らずが現れはじめます。
では、ヤコブの井戸の奥は一体どうなっており、どれほど危険なのでしょうか?
井戸の中はどうなっている?
泉の内部は、ヤコブの井戸探査プロジェクト(Jacob’s Well Exploration Project)の調査により、かなり多くのことが分かっています。
まず、川底の直径約4メートルの開口部から垂直に10メートルほど降りていくと、そこから横に水中洞窟が広がっています。
洞窟内は2本の主要な通路からなっており、1本目は約1300メートル、2本目は約300メートルの長さがあるとのこと。
ただその通路の途中には、分岐点や細い通路、小さな空間が入り乱れており、地下迷宮のような様相を呈しているといいます。
そのため現在は、ライセンスを持ったプロのダイバーだけが穴の先の水中洞窟の探検を許可されています。
こちらはダイバーが穴から洞窟付近まで降りていったときの様子。
これを見れば、井戸の中のおおよその概観がつかめるでしょう。