また、ベテラン選手ならではの冷静な判断力と経験に基づくプレーは、JFLの激しい戦いの中で一際目を引く。2025年5月3日に行われた第8節ヴィアティン三重戦では、得点こそなかったものの随所で的確な判断により攻撃の起点となるプレーも見せていた。さらに金崎の加入は、若手選手を中心にチームにプラスの影響を与えている。特に彼のトレーニングや試合への向き合い方などプロ意識は多くの選手の模範となり、選手個々の成長にも繋がる。J1や日本代表として実績を積んだ選手の加入はチームに大きな士気と信頼をもたらしたと言えるだろう。

金崎は滝川第二高校(兵庫県)を経て、2007年に大分トリニータでプロキャリアをスタート。同じ大分県クラブへの加入について金崎は「これまで様々なチームでプレーしてきましたが、僕の原点でもある大分に対する気持ちは、いつもどこにいても忘れることはありませんでした。チームは異なりますが、また大分に戻ってこれたことを本当に嬉しく思います。ヴェルスパ大分と共にJ3昇格を成し遂げ、また大分を盛り上げていきたいなと思います。」とクラブを通じて語っており、大分でのプレーに対して特別な思いがあるようだ。36歳を迎えキャリアの終盤とも言える金崎が、V大分Jリーグ参入の立役者として名を刻むことになるのか。今後の活躍に期待したい。


Jリーグ 写真:Getty Images

悲願のJリーグ参入へ、V大分の挑戦

V大分は2020年にJFLで優勝したものの、J3クラブライセンスを有していなかったためJリーグへの参入は叶わなかった。その後クラブは2022年にJ3ライセンスを申請し承認されている。JFLからJ3への参入には、リーグ戦の最終順位2位以内(2位の場合はJ3クラブとの入れ替え戦に勝利)という条件のほか、入場料収入1,000万円以上、平均入場者数2,000人以上という条件が課されている(2024年時点)。