慶應義塾大学の伊藤公平塾長は、大学教育の抜本的な改革として、学部から修士課程までを5年間の一貫教育にすべきと主張しています。背景には、少子化が進む中でも高等教育の質を高め、優秀な人材を育成したいという問題意識があるそうです。しかし、この「改革案」に対して時流を無視して大学に都合がよすぎるのではないかという批判が起きています。

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伊藤学長は、戦前の旧制高校と大学の6年間教育や、ヨーロッパ・アメリカの大学院進学前提の高等教育を理想としているようですが、日本の実態に合っていないという批判が聞こえてきます。

学部レベルの教育すら不十分なまま年数だけ延ばしても、学生の能力が自然に伸びるわけではありません。むしろ、文系の学びの質が問われる今、5年制など導入する前にまず4年間でまともに教えきる体制を整えるべきではないでしょうか。