もう一つは有楽町や銀座の建物の上を通っていたKK線という自動車専用道路が廃止になり遊歩道として再開発が進みました。私が小さい頃、商店の上を走る自動車専用道路は今でも「不思議で異質な」光景だったと記憶しています。60年代70年代の日本は高度成長のためにバランス感覚に乏しい無理な政策を推し進め過ぎたのだろうと思います。

今、東京でその揺り戻しと価値観の議論が始まったことは嬉しいことです。成熟した都市に求められるのは人間生活と環境を経済とどうリンクさせるのか、という点です。そして欧米では環境を維持するために企業が莫大な負担金を払うのが常となっている中、日本は役所が役所の判断で税金を使って単独判断で進めているように感じます。これから官民がどう意見を取り交わすか、そして資金は必ずしも税金ばかりではないという発想を取り入れることも必要となるでしょう。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年5月6日の記事より転載させていただきました。