専門家が指摘する可能性:電磁波? 軍事通信?
世界的なハム音現象を長年研究しているグレン・マクファーソン博士によると、この現象は1970年代にイギリスで最初に報告され、1990年頃にはアメリカにも広がったという。博士の調査では、世界人口の約2~4%がこのハム音の影響を受けており、ほとんど常に聞こえる人もいるとされる。その音は「トラックがアイドリングしているような音」と表現されることが多いが、博士は「伝統的な意味での音ではないかもしれない」とも指摘する。
このハム音は、頭痛、吐き気、不眠などの健康被害を引き起こす可能性があり、耐え難い苦痛から自ら命を絶った人もいるのではないかと博士は考えている。耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンを使っても音が悪化するという奇妙な特徴もあるという。
博士は、ハム音の原因として、耳鳴りや地下工事、スマートメーター(次世代電力計)などを否定している。彼が最も有力視しているのは、世界の主要な軍事大国が使用する強力なVLF(Very Low Frequency:超長波)送信装置との関連だ。VLFは潜水艦との通信などに用いられ、その電波は地球全体や海中をほとんど減衰せずに伝わる特性を持つ。人体がこれらの電磁周波数を音として知覚している可能性も研究されているという。