胃の状態を模擬した実験では、最初の区画のレボドパは速やかに放出されましたが、他の2つの区画からは時間の経過と共に段階的放出されることが確認できました。
研究チームは、1種類の薬だけでなく、複数の薬を用いることも可能だと述べています。
たとえば、「朝にアスピリン、昼にβ遮断薬、夜にコレステロールを下げる薬」といった具合です。
もちろん、このカプセルを実際に用いるためには、さらなる研究が必要です。
しかし、これらが順調に進めば、薬の管理は簡略化され、「服薬を忘れたせいで病状が悪化する」というリスクを大幅に減らすことができます。
「複数の病気を患っていても、朝にカプセルを1つ飲むだけで安心」
そんな便利な世界は、すぐ近くまで来ているのかもしれません。
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参考文献
One Timed-release Capsule Could Replace Taking Multiple Pills
https://today.ucsd.edu/story/one-timed-release-capsule-could-replace-taking-multiple-pills
One pill, multiple doses: New capsule stages delivery of your meds
https://newatlas.com/medical/capsule-medication-delivery/
元論文
Daily multi-segment capsule for time-tunable drug release toward enhanced polypharmacy adherence
https://doi.org/10.1016/j.matt.2024.101947
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。