また大人でも子供でもチンパンジーより犬を優先するという動物の種類による違いも明らかになりました。
(※動物の種類による偏りは、子供たちが親しみを感じている度合いの違いだと考えられています。実際、犬を飼っている子供はそうでない子供に比べて犬を優先する場合が増えました)
そうなると気になるのが、その理由です。
なぜ子供たちは大人に比べて人間の命をあまり重視しない決断をしたのでしょうか?
10歳を境に人間への関心が高まる

なぜ子供たちは人命をあまり重視していないのか?
その答えは子供たちの年齢に隠れていました。
2018年に行われた子供たちの関心度を調査する研究では、4歳の子供では犬・猫・イルカなど身近な動物のほうが警察官や病人などより高い関心を惹き付けましたが、10歳になると逆転を起こし、動物より人間のほうにより高い関心を示しました。

この研究ではさまざまな対象の絵が描かれたカードを配置する過程が含まれており、子供にとって手前側のほうが関心が高い存在となっています。
幼い子供の場合、上の図のように手前側には動物がおおくみられますが、年齢が上がって大人社会に関わる頻度が増えていくと、病人や障がい者など社会的な弱者や警察官など弱者を守る存在を手前側に置くようになりました。
このことから年齢が増えるにつれて子供たちは関心が動物と人間が等しく混ざった状態から、人間中心に変化していくことを示します。