アメリカの歴史には、公式には事故や自殺と片付けられながらも、その死の真相を巡ってアメリカ政府による暗殺や陰謀ではないかという黒い噂が絶えない事件が数多く存在する。内部告発者、果敢なジャーナリスト、政治の中枢に関わる人物、あるいは社会に波紋を投げかけた人々…。彼らのあまりにも不可解で、時として都合の良すぎる死は、今もなお多くの人々の憶測を呼び、見えざる力の存在を感じさせる。ここでは、そんな疑惑に満ちた10のケースを覗いてみよう。

権力のタブーに触れた者たちの末路?

■マイケル・ヘイスティングス(ジャーナリスト、2013年没)

彼らは「消された」のか? エプスタイン、ヘイスティングス… アメリカ政府の不都合な真実を知りすぎた10人?
(画像=Photo by John Santore, CC BY 2.0,『TOCANA』より 引用)

 権力の中枢を揺るがす記事で名を馳せた調査ジャーナリスト。特に、スタンレー・マクリスタル米陸軍大将(当時)を辞任に追い込んだ暴露記事は有名だ。2013年6月、彼は「監視されている」と周囲に漏らし始めた直後、ロサンゼルスで運転するメルセデスが高速で木に激突し死亡した。目撃者は「衝突寸前に不自然なほどフル加速した」と証言。車のコンピューターシステムが遠隔操作されたのではないか、という陰謀論が囁かれる。当時、彼はCIA長官に関する新たな暴露記事を準備中だったとも言われている。

■ゲイリー・ウェブ(ジャーナリスト、2004年没)

彼らは「消された」のか? エプスタイン、ヘイスティングス… アメリカ政府の不都合な真実を知りすぎた10人?
(画像=Image via TIME · Fair use,『TOCANA』より 引用)

 CIAが中南米の反共ゲリラ資金調達のために麻薬密売に関与していた、という衝撃的な疑惑(通称「ダーク・アライアンス」)を報じ、大きな注目を集めた。しかし、その報道は激しい反発と個人攻撃を招き、彼のキャリアと精神は深く傷つけられた。2004年、彼は自宅アパートで頭部に2発の銃創を受けて死亡。公式には自殺とされたが、自殺で頭部を2度撃つというのは極めて稀であり、彼の報道によって不利益を被る者たちによる暗殺を疑う声は根強い。

■ダニー・カソラーロ(ジャーナリスト、1991年没)

彼らは「消された」のか? エプスタイン、ヘイスティングス… アメリカ政府の不都合な真実を知りすぎた10人?
(画像=Image via Survive the Jive · Fair use,『TOCANA』より 引用)

 銀行、政府、諜報機関にまたがる巨大な世界的詐欺ネットワーク「オクトパス」の存在を確信し、その全貌を暴こうとしていた。彼の調査は、イラン・コントラ事件など、数々の不正疑惑に繋がっていたとされる。しかし、決定的な証拠を掴み、発表を目前に控えていた矢先、ウェストバージニア州のモーテルで手首を深く切られた遺体で発見された。これも公式には自殺とされたが、本人は生前「暗殺されるかもしれない」と周囲に語っていた。そして何より、彼の膨大な調査資料は全て謎の失踪を遂げたのだ。