安い電力は原子力と火力、高コストな再エネ推進では産業は空洞化し国民はますます窮乏化する:政府試算をよく読めば分かる本当の発電コスト

仮にペロブスカイト太陽電池がシリコン太陽電池よりも安くなったとしても(現状では程遠いが)、これらのコストは減らないから、ペロブスカイト太陽電池のおかげで国民にとって安価な電気が実現するということにはならない。

それでは、ペロブスカイト太陽電池は何を狙えばよいか。携帯用機器であれば、軽いというメリットが活きるだろう。キロワットといった大きさではなく、数ワットとか数十ワットといった弱い電力を利用するのであれば、重いガラスではなく、軽いプラスチックで保護すれば十分だろう。

ペロブスカイト太陽電池については、曇天や、室内光でも発電できるという特徴も報告されている。そうすると、これまで乾電池で駆動していた数々の機器を電池レス化できるかもしれない。ちいさな二次電池と組み合わせてもよいかもしれない。

このような、「軽い、曲がる、そして曇天や室内でも発電できる」といったシリコン太陽電池にない特徴を活かして、あらたな太陽電池のマーケットを開拓していくことが、ペロブスカイト太陽電池の開発戦略として適切なのではないか。

単三の乾電池は2Whしか電気を出さないので、1本100円で買うとして、単価で言えばkWhあたり50000円もすることになる。つまり普通のコンセントの電気と比べると、桁違いに単価は高い。