陰謀論と科学の狭間で:広がる議論と批判

 フロリダ州のケムトレイル禁止法案に対しては、旅客機の高高度飛行によって生じる飛行機雲(実際にはただの水蒸気)を、悪意ある者によって制御され、病気やマインドコントロールさえ引き起こしかねない危険な化学物質だと信じる陰謀論者に迎合するものだとして、多くの批判や、時には嘲笑の声も上がっている。

陰謀論者歓喜!?謎めく「ケムトレイル」禁止法案を可決=フロリダ州
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)

 マイアミ大学ローゼンスティール海洋・大気科学部のエイミー・クレメント教授(大気科学)もその一人だ。彼女は飛行機雲が大気の温度に与える影響は「無視できるほど小さい」と認めつつも、「ある場所で排出された温室効果ガスは、地球全体に影響を与える。議論されているジオエンジニアリングの中には、成層圏にエアロゾルを注入するなど、地球規模のものがあり、それらは実際には非常に効率的に地球全体に拡散する」と説明し、安易な気候改変技術のリスクを指摘している。