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ここ数年、夏の猛暑や冬の大雪があるたびに、枕詞のように、「これは気候変動のせいだ」といった言葉がニュースやSNSにあふれています。

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かつては「地球温暖化」と言っていたはずなのに、今ではすっかり「気候変動」という言葉が定着しています。では、なぜこの言い方が広まったのでしょうか? 本記事では、その背景と意味をわかりやすく紐解きます。

温暖化では説明できなくなった現実

もともと「地球温暖化(global warming)」という言葉は、産業革命以降の人間活動によって温室効果ガス(CO₂など)が増え、地球全体の平均気温が上昇しているという主張に基づいていました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)や各国政府もこの言葉を使い、CO₂削減の必要性を訴えてきました。

しかし、実際の自然現象はそれほど単純ではありません。温暖化が進んでいると言いながら、局地的には記録的な寒波や大雪も起きています。アメリカや日本では、冬に「過去最強の寒波」「数十年ぶりの積雪」などが話題になることもしばしばです。

こうした現象が報じられるたびに、「本当に地球は温暖化しているのか?」「むしろ寒冷化しているのではないか?」といった疑問の声があがるようになりました。そこで用語として採用されたのが「気候変動(climate change)」です。

気候変動という“万能ワード”の誕生