資料には、裁判所の文書、警察の報告書、メディア記録、銃撃犯自身の文書や動画を用いています。
さらに銃を手に入れる難しさを四段階に分類し、数値で評価することで全体の傾向を明らかにしました。
学校銃乱射事件の犯人は、銃を「愛や絆の象徴」とする環境で育っていた
調査の結果、学校銃乱射事件の犯人の多くは、銃を「家族・仲間との絆・愛情、帰属意識、アイデンティティの象徴」とする環境で育ってきたということが判明しました。
データのある52件のうち41件は、父親や祖父母と射撃や狩猟を家族行事として体験しています。
その結果として家族の大切な思い出と結びついた「銃への愛着」が生まれていたのです。

たとえばAさん(仮名)は2歳でおもちゃの銃を手にし、5歳でBBガン、10歳で実銃へと段階的に経験を積みました。
家族写真には迷彩服姿で笑顔を浮かべる彼の姿が残されており、その映像は家族イベントの象徴となっていました。
また友人の家族が主催する射撃クラブに参加したCさん(仮名、14歳)は仲間と共に銃を撃つ楽しさがコミュニティ意識を強める経験だったと証言しています。
さらに18歳以上の加害者は合法購入した銃を唯一の趣味や心の支えと表現し孤立や不安を和らげる存在にしていました。
学校銃乱射事件の犯人の中には、銃に対して強い思い入れを持ち、銃を「人生をかけて愛するもの」「唯一の友達」と表現する者もいました。
加えて、銃へのサクセスのしやすさも共通していました。
データのあった81件のうち約97.6%で「非常に容易」または「容易」に銃へのアクセスが可能でした。
たとえば、家庭内で鍵をかけずに銃が保管されており、子どもでも簡単に手に取れる状態にありました。