親友の冷静すぎるひと言に、心がざわついた

そんな私の愚痴を、昔からの親友・沙織だけが黙って聞いてくれていました。

「もう疲れた…でも、離婚はまだ早い気がして…」

私がそう言ったとき、沙織が笑いもせず、静かに言ったんです。

「早いっていうか…あんた、離婚する勇気がないだけでしょ?」

一瞬、心がざわつきました。

でも、図星でした。

離婚後の生活が怖かった。
世間体が気になっていた。

夫が変わるかもしれない…そんな期待も、どこかで捨てきれなかった。

「勇気がない」──その言葉は、私がずっと自分で触れずにいた“ 核心 ”だったのです。