さらに驚くべきことに、この効果は介入終了から半年後(26週後)でも持続していました。
つまり、短期間のアプリ学習でも、長期的に気分を改善できることが示されたのです。
これまでの常識では、「対面での心理療法に比べてデジタル介入は効果が弱いのでは?」と考えられがちでした。
しかしこの研究は、正しく設計されたアプリなら、自宅治療でも予想以上に高い治療効果が得られることを示しています。
またスマホアプリという特性上、日常のすき間時間に数分ずつ取り組むことができ、忙しい現代人にも取り入れやすい点が特徴です。
まさに「ポケットの中のセラピスト」。 スマホひとつで、誰でも自分自身の心のケアを始められる時代が来たのです。
今回の成果は、うつ病の予防や早期介入に大きな希望をもたらすものであり、今後さらに多くの人にとって救いとなるでしょう。
チームは今後、一般の方々も利用できるように、「レジトレ!」のさらなる改良と実用化を進めていく予定です。
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参考文献
スマートフォンで学ぶ5つの認知行動スキルがうつ状態を改善─世界最大の臨床試験で解明─
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-04-25
元論文
Cognitive behavioral therapy skills via a smartphone app for subthreshold depression among adults in the community: the RESiLIENT randomized controlled trial
https://doi.org/10.1038/s41591-025-03639-1
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部